キリストの沈黙

みことば マルコ15:1-15

 主は、十字架の前に、宗教議会、ピラトの前でも沈黙を守られました。それは裁く者、裁かれる者の立場を逆転させました。その沈黙が、人々に語りかけたのです。その沈黙は、
① 良心への訴えでした。主は沈黙をもって、祭司長たちやピラトの良心に訴え、神の正しい裁きを示されました。十字架は、罪に対する神の正しい裁きを人々に訴え、悔い改めを迫っています。
② 救いへの招きでした。ピラトの「お前はユダヤ人の王なのか」という言葉に、何の弁明もされず、無言でご自分を示されました。救い主であることを十分現わしておられたからです。
③ 救いの決断でした。主は、沈黙して屠られる子羊のように十字架に向かい、人類の罪に対する裁きの杯を最後の一滴まで飲み干そうとされたのです。

 (説教者 : 北尾 欣三 師)