教区講壇交換

恵みの御業によって
みことば 詩編71
 宗教改革の中心人物であるマルティン・ルターは、元々は厳格で熱心なカトリックの聖職者でした。しかし、「義を行う」という聖書の言葉にしたがって、真面目に善行をすればするほど、「善行によって、褒められたい自分」の偽善に苦しみました。
 大学で聖書注解の講座を教えることになったルターは、旧約聖書詩篇を読み込み、「神の義」とは、わたしたちを縛り、裁くものではなく、神からの一方的な恵みによって、私たちを「義」としてくださることだという理解に達しました。
 善行は尊いことです。しかし私たちは、自分の努力による善行で救われるのではありません。ただ神からの一方的な恵みを受け取り、それによって「義」となり、救われる存在とさせていただきましょう。


(説教者:金井由嗣 師)